「いつまでもおしゃれで若々しくいたい」そんな皆さまの思いのお手伝いさせていただくために、
福祉と美容の技術や知識を活かし、おしゃれを楽しめる環境のご提供とご利用者様の満足度の向上を目指して参りました。
これまでの歩みを通して、私たち『リンデン・ビーアイ』の想いを紹介させていただきます。
当社のホームページにお越し頂き、誠にありがとうございます。
私は、リンデン・ビーアイ株式会社の代表取締役社長の横井三枝子と申します。
私が美容師になるきっかけを与えてくれたのは、学生時代の先輩です。彼女が美容師としてお客様が素敵になり、笑顔で楽しそうに働く姿を見て「ずっと長く楽しく続けられる仕事で素敵だな」と思い、そこから美容の通信教育を始め、サロンで修業しながら美容師の資格を取得しました。
私が20代に修業させていただいたサロンは、障がいをお持ちのお子さんとご家族が一緒にご来店されたり、精神疾患のある方が定期的にご来店されたりと、さまざまなご状態の方が同じ空間の中で、自然におしゃれを楽しめる、笑顔が溢れる環境でした。
このサロンで、大切なことをたくさん教えて頂きました。その中の1つが「美容の技術をもって何のために何をするか、ビジョンを描きなさい。」というサロンのオーナーの言葉でした。
当時からノーマライゼーション※を当たり前に実践していて、お客様お一人おひとりに寄り添うことを大切にしていた環境のお陰で、私の中で自然と、美容の『意識と技術と知識』で「医療福祉に貢献したい」という考えが育まれました。
ノーマライゼーションとは・・障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指す理念。
私は33歳のとき、栃木県が実施していた事業の一つである『海外研修制度』に参加し、イギリスとフランスの美容室と福祉施設を訪問するご縁をいただきました。そこで、研修先の国と日本の美容室との環境の違いに驚かされたことは、年月が経った今でも鮮明に思い出します。
イギリスで美容室を見学したとき、日本女性のオーナーさんからは「さまざまな国の方がスタッフとして働いている」「日本のように美容師と理容師と分かれていない」「美容師が出張でお客様の元へ出かけることは当たり前」だということを教えていただき、日本の美容室との違いに驚かされました。
そして、フランスの福祉施設では、高齢者の皆様がヘアスタイルはもちろん、お洋服もとてもおしゃれにされていること、また個性を大切にしている姿を目の当たりにして感銘を受けました。
実は私が美容師の修業をしているとき、カットの練習をするために、毎月1回休日を利用して特別養護老人ホームに伺っていました。
今考えると、カット技術もままならない状態で、ご高齢者や認知症のことすら何も知らない私が「特別養護老人ホームでカットしていたなんて信じられない…」という状況です。
しかし、そのような経験もあり、海外研修でイギリスとフランスの美容環境を目の当たりにしたときには「こんな素敵な環境を、日本でも創りたいな」というビジョンをしっかりと思い描くことができました。
海外研修の経験と同時期の今から25年前、現在のリンデンの会長である横井孝と、『出張 美容・理容』をはじめるご縁をいただきました。
当初は『出張 美容・理容』からはじまり、1999年には民間で最初の美容師・理容師のための『ホームヘルパー3級養成講座』を開講しました。また、2000年に介護保険制度がはじまったことで、高齢者の皆様のQOL※がどんどん良くなっていく様子には驚くばかりでした。
QOL=クオリティ・オブ・ライフとは・・・一人ひとりの人生の内容の質や社会的にみた『生活の質』
そして、これまで福祉施設の美容・理容はボランティアによるカットが中心でしたが、介護保険制度の設立をきっかけに「その人らしさを大切に」する風潮が広まりはじめました。「ヘアカラーやパーマなど美容室で行うサービスを福祉施設でもお届けできる環境を整えていただけないか」と、地元の思いのある施設の管理者の方にご相談したところ「やってみましょう」と前向きに受け入れていただくことができました。施設内で初めてヘアカラーやパーマをさせていただいたときのご利用者様の笑顔は、今でも私の中で大切な宝物になっています。
そして同時に「もっと私たちを待っている人がいるはず」と実感したのです。
足の骨折で1ヶ月ほど入院してリハビリ中の女性の患者様(ダンスの先生でした)からは「白髪が出てきた様子をお見舞いに来る人に見せたくない。たとえ3日退院が伸びても構わないから髪を染めたい。」というご相談をいただきました。当時の病院では、入院患者様のヘアカラーやパーマは退院後にすることが当たり前でしたが、彼女の担当のドクターに相談したところ、「ヘアカラーが終わるまで様子を見に来てあげられるからやってみて大丈夫。」とご理解をいただくことができました。そしてキレイになった患者様の笑顔を見た担当のドクターからは「入院して初めて見た素敵な笑顔だね」と声をかけていただき、病院でヘアカラーのご希望にも答えることができる環境をつくることができたのです。
これはひとえに施設の管理者の方、病院の担当医の方の受容と共感のお陰で叶ったことであり、当時ご尽力いただいた方々には今でも感謝しかありません。
また、ご自宅で初めてパーマをかけていただいた当時80歳のお客様は、リュウマチで自宅療養されていました。今でこそお薬で痛みを和らげることができるようになりましたが、当時はお体に触れるだけでも痛みが走るご状態です。そのような状況の中でパーマをかけ終わり、鏡でご自身の姿を見た瞬間のお客様の笑顔は最高でした。その方からはリュウマチのことをたくさん教えていただいただけではなく、カット後に私が床に敷いた新聞をぐるぐる丸めて後始末している様子をご覧になって、「新聞も繰り返しつかえるのではないか」と声をかけていただいたので、例えゴミに出すものでも、物は大切に扱うことを教えていただきました。このように、お客様から学ばせていただくことが多かったように思います。
そして最後にもう一つ、25年一緒に出張美容をしている串田部長との忘れられない体験があります。こちらも病院での出来事で、「入院しているお母様のパーマをかけて欲しい」というご依頼を娘さんからいただきました。お母様はご自身の力でイスに腰かけていることもできないご状態でしたが、私がお体を支え、串田部長がパーマの施術を行いました。仕上がった後、お母様に喜んでいただいただけではなく、娘さんが涙を流して喜んでいたご様子を見て、「ご家族のお気持ちに寄り添うことの大切さ」を学ぶことができました。
「最期まであきらめないで」
これは、実際に私たちがこれまでご縁をいただいた多くの皆様の笑顔に込められたメッセージだと感じています。
14年前にフランチャイズ事業が始まったのですが、私自身はしばらくの間とても悩んでいました。
フランチャイズ事業を進めるために、私は施設や病院・在宅でお客様と直接お会いする時間が少なくなり、寂しい気持ちでいっぱいだったからです。
今となっては私たちの想いを共有したスタッフさんから「お客様から喜んでいただいた」という報告と笑顔を通して、直接お客様から「ありがとう」と言っていただける何倍もの喜びを感じることができるようになり、自分は本当に幸せだなと感じる毎日を送っています。
「なぜこの事業をこんなにも一生懸命にしているのか」
もちろん、現場は決して楽ではありません。しかし、長くリンデンを続けられてるのは、物心両面で心豊かになる体験を現場で体感させていただいてるからです。
出張 美容・理容という仕事をさせていただく人が心豊かで幸せだと、自然とお客様に「本物の笑顔」をお届けできると私は思っています。
今後もリンデン・ビーアイの『出張 美容理容 サービス』を安心してご利用できる環境整備はもちろん、フランチャイズ事業が始まると同時にオープンした、リンデン本部のような『ユニバーサルサロン』(車椅子のままでシャンプーもでき、どのようなご状態の方でも安心してご利用できる美容室) が全国に展開されることをイメージしています。
これからも「世のため人のため」全国のリンデンスタッフの皆さんと楽しく、心地よい環境づくりを創り続けていきたいと思います。
リンデン・ビーアイ株式会社
代表取締役社長
横井 三枝子
長年の間、このような活動を広く全国で行ってきた結果、
人々から横井三枝子が
「福祉美容界のカリスマ」
と呼ばれることが増えてきました。